介護の現場【2】職員の声 水中リハビリで介護支える 取材協力/介護老人保健施設 アクアピア新百合
「ゆっくり足をあげましょう。左右交互に足を20回あげてみてください」
屋内プールに響く快活な声。高齢者でも聴こえ易いようにゆっくり大きな声で呼びかける。荒明大貴(24)さんは水中リハビリのインストラクター。介護老人保健施設アクアピア新百合(区内黒川318)に勤務している。
水中リハビリとは、水の浮力を利用したリハビリ方法。水中で歩行訓練やボールなどを使ったレクリエーションを行い、身体機能の回復につなげる。同施設では、一日35人ほどが利用する。
荒明さんが介護の道を選んだのは専門学生の時。スポーツトレーナーを目指し、就職先を探していた最中、恩師が福祉の現場で働くことを勧めてくれた。ヘルパー2級の資格を取るための研修で初めて高齢者と触れ合った時、人と人のつながりが成り立っている仕事の奥深さを感じたという。
普段歩くことが難しい高齢者がプールの中では自力で歩く練習をする。インストラクターはその補助に徹する。手をしっかり差し伸べ、心までもをサポートする。「お孫さんや趣味についての世間話などでまずは心の距離を縮め、信頼関係を築いています」と荒明さんは話す。水中では、普段あまり話をしたがらない利用者も自然と表情が柔らかくなるという。
利用者の中には「プールの時間がなによりの楽しみ」「身体も動くし、気持ちも晴れやかになる」という喜びの声も少なくない。
現在、施設には約130人の職員がいる。若手の介護職員として活躍する人も多く、荒明さんは「自分も若い男性職員として現場を元気にしていきたい」とこれからの介護を支える若手として意欲を燃やす。
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