第23回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰をうけた「水辺のある里山を守る会」の会長を務める 織野 章さん はるひ野在住 70歳
住宅街に「学べる里山」を
○…「かつて自分が少年時代に経験したような、豊かな自然体験を子どもたちにもして欲しい」-宅地開発が進むはるひ野地区で、特別緑地保全地区にも指定されている「黒川よこみね緑地」の管理に奮闘して3年半。餅つき大会などの地域交流イベントを毎年実施しながら、水辺のある里山の保護に努めてきた。試行錯誤をしながら活動を続け、今月2日、緑化推進の模範となる民間団体に贈られる「みどりの愛護」功労者として表彰を受けた。
○…1941年姫路市生まれ。海や川が近く、豊かな自然の中で育った。「トンボを追ったり、メダカを見つけたり。子ども時代の経験が強く影響した」。07年に自動車関連会社を退職後、仕事とは180度違った自然に触れる活動に強く惹かれた。「自分が子どもの頃は、自然すべてが遊び場だった」。現代の子どもたちが自然に触れる機会が減っていることを案じ、2010年からはるひ野小学校に協力。児童に地域に生息する動植物について教えている。
○…毎朝6時半に起床し、8Kmのウォーキングを行う。「鳥のさえずりを聞きながら歩くのが至福の時」。元同僚とのトレッキングも楽しみの一つで、今度は裏磐梯まで行こうかと計画中だ。日中は貸し農園での農作業に汗を流し、毎日「土と水と触れ合う生活」を満喫している。
○…今月初旬には準絶滅危惧種の昆虫が見つかるなど、活動の成果をひしひしと実感している。時には珍しい植物が根こそぎ盗掘に遭い肩を落としたこともあったが、「里山保護の輪を広げる」という目標を掲げて活動を続けてきた。当初20人程度だった会員も、今では70人を超えるまでになった。「もっと多くの地域の方に、はるひ野の豊かな自然に触れてほしい。現在ははるひ野に住む動植物の写真展を企画中」。かつて蒔いた「里山保護活動」の種は、少しずつその枝葉を地域に伸ばしている。
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