麻生警察署管がこのほど発表した区内振り込め詐欺の昨年1年間の被害件数、被害額は、過去3年間でともに最多を記録した。手渡し型が横行し、1件あたりの被害額が増加していることが要因だ。
昨年1年間の区内振り込め詐欺の被害件数は21件、被害総額は7570万円。2011年の13件・1920万円、12年の16件・6670万円と比較すると件数、金額ともに増加している(被害額は概算)。
被害額については、1件あたり1000万円以上の被害が出た件数が、11年はなし、12年、13年はともに2件。同署生活安全課の森下正喜課長は「近年、1件あたりの被害額の増加が見られる。ATMでは限度額があり1度に振り込めないため、直接現金を手渡す『手渡し型』が横行している」と話す。犯人が息子や孫になりすまし、「小切手の入った鞄を電車やタクシーに忘れた。今すぐ現金が必要」などの電話をかけてくるケースが多かったという。
昨年1年間を月別に見てみると、7月に1カ月間で7件と突出した数字を残し、年間の件数増につながった。森下課長は「まだ要因解明にいたっていない」としている。
麻生署独自の対策も
麻生署では昨年、高齢者を対象に在宅時にも留守番電話に設定する対策や、区内の老人会で再現VTRを流しながらの講話会を実施した。8月からは麻生署独自の対策として「振り込め詐欺撃退プレート」を区内全域の高齢者宅に1000枚配布。プレートには「だまされた振り作戦実施中 君に渡す金はない!」と記されており、玄関先に貼ることによって、現金を受け取りに来た犯人を諦めさせることが狙いだったが、根絶にはいたっていない。
森下課長は「1件あたりの被害額が100万円を超えることが当たり前になってきている。昨年末から全国的に医療費などの還付金詐欺も増えている。役所の職員などを装い電話をかけてくるケースが多いが、電話でお金の話をすることはまずないので、注意してほしい」と話した。
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