映画・ドラマなどの監督経験を活かし11月から岡上分館で演劇講座を開講する 佐藤 重直さん 岡上在住 75歳
「失敗は大した事じゃない」
○…岡上分館で11月から演技や呼吸法などを学ぶ講座「演劇で地域を元気にしよう!」を無料開催する。「今は自分の世界に入ったままの人が多いように感じます。演技の世界を学んでいくと、演者同士の掛け合いが生まれ、相手のことを考えるようになります。声を出して元気になって、そして人を大切に思う気持ちを伝えていきたい」。
〇…岡山県生まれ。病弱だった少年時代に手を差し伸べてくれた医師への憧れから医学の道を目指した浪人中に転機が訪れる。「魯迅の『肉体の傷を治すより、心の傷を治すべきだ』という言葉に出会って、医者から表現者になりたいと思ってしまった」。国立大合格を蹴って早稲田大学へ進学し、サークル劇団に所属した。2年生で部長に就いた頃には新たな道が見えてくる。「今度は演出や映画監督になりたくなったんです。後輩だった久米宏とかに発声の仕方とかをガミガミ言っていましたね」と笑顔で当時を懐かしむ。卒業後は映画会社やテレビ局で数多くの作品を手掛けていった。
〇…これまで「子連れ狼」や「ゆうひが丘の総理大臣」「熱中時代」「午後は〇〇おもいっきりテレビ」など名だたる番組に監督や演出、チーフディレクターとして関わってきた。現在は日本映画監督協会の理事を務め、業界の底上げを担っている。ここ20年来の息抜きは近所に借りた畑での野菜作り。「土いじりは心が落ち着く。コツとかは周りの方たちに教えてもらって楽しんでいます。岡上は緑も多くて最高の環境です」。
〇…名刺の肩書きは「映画監督」。終わりのない監督業は使命だという思いがある。「老若男女問わず一歩ずつ前へ進んでいくような夢を作りたい。僕も失敗した企画とかは多かったけど、大したことじゃなくて、そんな時こそ挑戦していくことが大切だと思うんです」。地域の交流づくりもこれからの映画監督、どちらも新たな取組みという熱い思いで歩を進めていく。
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