創作人形作家で7月25日から都内で個展を開催する 三輪 輝子さん 王禅寺西在住 71歳
夢詰め込んだ人形づくり
○…磁器製で球体関節を持ちドレス等で着飾られた人形、ビスクドール。約150年前ヨーロッパで広まったこの人形を現代に甦らせようと制作を始め、40年以上になる。原型から窯焼き、磨きなどの工程を重ね、一体の制作期間はどんなに短くても3週間。魅力は「明るく美しく、女の人の夢を詰め込められること」と目を輝かせる。
○…紙きれに新聞の挿絵を写して遊ぶ、絵を描くのが好きな子どもだった。東京藝大を卒業後はテレビ番組の美術セット制作やデザイン会社で勤務。結婚し子どもも生まれて、何か創作活動をしたいと思っていた矢先、デパートでアンティークドールに出会った。100年以上前に作られたがきれいなままの人形に衝撃を受けた。同時に「こんなに心を動かせるものを誰も作っていないのが悔しかった」。自ら試しに作ったものが高値で売れ、人形作家としてのキャリアがスタート。国内外で展示、販売するなど活動を広げ、今までの制作数は4300体に上る。
○…インスピレーションは外出時でも沸き起こる。見かけた人の「手足や唇といった美しいパーツに目がいってしまう。脳裏に焼き付けて創作に生かします」。麻生区には15年ほど前から住む。「緑と都会の良さを兼ね備えた土地はなかなかない。すっかり魅力にハマった」とほほ笑む。
○…20年前には伊豆高原に美術館をオープン。15万人以上が来場しているが、都内で気軽に見られる機会を、と今月25日から個展を開催する。展示のために新たに10体以上作り、人形の衣装やヘアセット、アクセサリー、小物にもこだわり尽くす。人形づくりは「生きがい。何千体とイメージを立体にしているのに、完璧に作れたと思ったことがない。でも常に理想を追い求めるのが楽しいの」。
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