川崎市内で生産された梨の収穫が今年も麻生区内で始まる。
川崎市内では約250年前から梨が栽培されている。川崎区から中原、高津、生田と多摩川を上るように栽培地が広がった。大正から昭和にかけての都市化や第二次世界大戦の影響で梨畑は減少したが、市が実施した果樹苗導入の助成で1963年には市内で125万平方メートルの栽培面積を誇った。高度経済成長により再び梨畑は減少し、現在は市内約30万平方メートルで梨が栽培されている。生産された梨は「多摩川梨」の総称で親しまれている。
長雨でも例年通り成長
区内では早野や黒川など十数軒の農家が梨を栽培。早野の「金子梨園」では、金子昇さん(82)が30年以上、梨栽培を続けている。
昨年は高気温の影響で早く実ができ、例年よりも早い出荷だった。今年は、朝晩に実が落ちてしまうことや、長引く雨と日照時間の不足で糖度が高くなるか心配されたが、梨は例年通りに成長しているという。金子さんは「梨を作って30年以上だが、こんなに雨が続いたのは初めて。どうしても雑草がたくさん生えてきてしまうのが大変。毎年気候が違うので栽培は難しい」と苦労を語る。
金子梨園では「夏水」「幸水」「豊水」など、複数種類の梨が育てられている。神奈川県内で開発され2012年に品種登録された「夏水」は、栽培を始めて5年目。大玉で甘みが強く、収穫時期は8月上旬から中旬となるのが特徴だ。金子さんは「今、栽培している種類の中でも夏水が上手くできれば」と話している。
7月末から各種の収穫を開始し、出荷する予定。多摩川梨は、直売やセレサモスで購入可能だ。
![]() よく成長した夏水
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