官民連携によるオンデマンド交通「しんゆりシャトル」の実用化に向けた有償運行が2月17日から始まった。新百合ヶ丘駅周辺の約500カ所で乗降が可能で、配車から支払いまでアプリで行う同事業。今回、駅周辺道路の混雑緩和、保育・教育関連施設、商業施設と連携を図ることで利用者の促進と、子育て世帯の送迎負担軽減などの地域住民のニーズを検証することが目的。今年5月16日まで実施する予定だ。
小田急電鉄(株)、小田急バス(株)、川崎交通産業(株)、神奈中タクシー(株)、川崎市の連携によって実施される同事業。さまざまな種類の交通手段をアプリ等によって一つのサービスとして統合する日本版「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」の取り組みとして、国土交通省の推進・支援事業に選定されている。
今回の実証運行は、トヨタ社の「アルファード」を用い、新百合ヶ丘駅周辺から約5平方キロメートルを対象エリアに実施(MAP参照)。運行時間帯は午前7時から午後10時。配車依頼から運賃の支払いまで小田急電鉄が開発したアプリ「EMot(エモット)」で行うのが特徴だ。対象エリア内で設定された約500カ所の「ミーティングポイント」での乗降が可能。利用客の呼び出しにより随時経路が変わることもあり、相乗りになるケースもある。料金は大人500円、小人250円(1カ月の定期券もあり)。
商業施設等と連携も
「しんゆりシャトル」は昨年2月から4月に、小田急電鉄を中心に無償での実証運行を実施し、アプリによる配車の効率性、住民ニーズを検証。その結果、期間中の1日あたり最大約200人が利用。配車システムにも大きなトラブルもなく、80%以上が「満足」「やや満足」とアンケートに答えたという。
2回目となる今回は、特に子育て世帯、駅前商業施設の利用客のニーズ把握のため、保育園や習い事の教育関連施設の利用者、新百合ヶ丘エルミロード利用者に対し、シャトルの無料クーポンを配布。送迎の負担、集客力向上の効果、駅前道路の混雑緩和を検証する。
小田急電鉄では、本格運行の実施時期は未定としながらも「料金や実際の移動所要時間なども含めて、3カ月間の結果をもとに本格運行に向けた検証を行っていきたい」と話している。
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