岡上産農産物の剪定(せんてい)枝で作られた「バイオマス食器」を、区内農家、市内企業、和光大学が連携して開発に取り組んでいる。このほど試作品が完成し、3月26日には教育現場に導入する社会実験として、区内保育園に食器30枚が贈られた。
「バイオマス食器」作りに取り組むのは、岡上の(株)カルナエスト(山田貢代表取締役)。素材は、禅寺丸柿の枝やワイン用ブドウの枝、竹の3種類。いずれも岡上でとれたもので、剪定や間引きのため処分予定だったものを使用する。
贈呈先は、リトルピエノ保育園新百合ヶ丘ROOM。同社とは農業体験で協力する。当日、山田代表が食器を1枚ずつ園児に渡すと「すごい堅い」「プラスチックみたい」と声があがった。この日の給食は贈呈された食器に特別に盛り付け。岡上産のイチゴとのらぼう菜も添えられ、園児たちは地元の味を楽しんだ。同園の石村真紀子さんは「農業体験で柿や竹に触れていた子どもたちにとっても、食器の素材をイメージしやすかったと思う。料理が見えやすい食器の形状もよかった」と話していた。
農産学連携で開発
取り組みは、市内産農産物の付加価値向上や地域活性化などを目的に市が実施する「農商工等連携モデル事業」に昨年度採択されている。
岡上産の素材は、プラスチック成型加工全般を行う(株)ユニオン産業(中原区)により、バイオマスペレットに加工。食器の形状は、和光大表現学部芸術学科の倉方雅行教授が監修し、学生3人が未就学児に使いやすいサイズや形を市場調査して3Dデータを制作した。
今年度はさらに食器の改良やパッケージデザイン考案などに取り組み、1年後の商品販売を目指す。「地域を循環することがテーマ」と語る山田代表。「育った地域の資源を大切にする、持続可能なまちづくりにつながれば」と意気込む。
麻生区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|