JR東海は先月、リニア中央新幹線のシールドトンネルに関する住民説明会を麻生市民館で開催した。今回の説明会は、東京外郭環状道路(東京外環)の大深度地下シールドトンネル工事で、地表面の陥没事故が発生したことを受けて実施。同社は安全対策とともに、計画路線周辺の家屋調査を実施することを住民に説明した。
リニア中央新幹線は、東京都、神奈川県、愛知県の市街化地域では、地下に直径約14メートルのトンネルを掘って路線を築く計画。川崎市内では、中原区から麻生区片平までを通り、その間5カ所(等々力、梶ヶ谷、犬蔵、東百合丘、片平)で非常口が設けられている。
メディアには非公開で行われた今回の説明会。当日、会場で配布された資料では、8月に東百合丘の非常口が完成。東京外環の陥没事故については、特殊な地盤、それに伴う特別な作業が起因とされ、中央新幹線の川崎市の掘削区間には同様の特殊な地盤はないとし、工事の施工管理を強化、徹底していくとしている。
計画路線周辺の住民に対しては、トンネル端部から約40メートルの範囲内にある建物等を対象に家屋調査の実施についても言及した。
住民の質問相次ぐ
説明会に参加した片平在住の男性(68)によると、会場には100人近い人たちが出席。東京外環の陥没事故に関する質問が相次いだという。それに対し、JR東海側は今回のトンネル工事は施工方法が異なり、施工管理をより強化すると説明。住民からは、家屋調査の対象世帯や、地盤調査をより細かく行うことなどの要望も寄せられたという。男性は「地元に長く住んでいて、硬い岩盤があり、地盤がしっかりとしていると聞いているが、トンネル上部の調査はしっかりやってほしい」と話した。
なお、資料によれば、JR東海は今後の家屋調査について、麻生区内の東百合丘、片平の非常口付近の対象世帯には、順次調査協力の依頼チラシを配布する予定だという。併せて、シールドトンネルの掘削工事についての詳細な説明会も順次行っていくとしている。
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