柿生文化を読む シリーズ「草創期の柿生中学校」『うれ柿』と学校生活の思い出…その4【3】文:小林基男(柿生郷土史料館専門委員)
往路は夜行列車を使い(車中1泊)、翌朝京都駅に到着、1日市内を見学して京都に1泊。翌日は奈良に向かい、猿沢の池からほど近い旅館に宿泊、翌朝京都駅から今度は日中の各駅停車で帰路についたのです。夜行列車の旅など、先ず生徒全員が初体験でしたから、日中の列車の旅以上に皆が興奮します。夜になってもなかなか寝付けず、眠っても眠りは浅かったのでしょう。どなたに伺っても2日目の奈良観光の記憶に比べ、初日の京都観光の記憶があいまいなままでした。それでも4期生のある方は、京都御所の見学の際、「ここでは特に静かにしているように」と注意があったので、あんまり静かでつい居眠りしたのを覚えている。ともかく寝不足で、京都はひたすら眠かったと話して下さいました。旅行で楽しかったことを伺うと、奈良公園で鹿と遊んだことと答える方が多数でした。
修学旅行の時期は、4期生は冬の寒い時期だったそうで、「自分用のコートなどなかったので、親父の古いコートを母親がつめてくれたのを着ていたけれど、それでも寒かった」と語ってくれました。5期生からは秋となり、「制服で歩くとちょうどよかった」そうです。6期生の出発は、「大きな被害の出た台風の直後で、行けるかどうか心配した」ことはしっかり覚えているそうです。
(つづく)
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