70歳以上の運転免許更新時に必要な講習や検査が受けられる専用施設が、川崎大師平間寺(川崎区)の自動車安全運転祈祷殿に開所し、4月17日から運営が始まった。教習所以外で実車走行を行える施設は神奈川県で初。県警は課題となっている待ち日数の長期化を改善したい考え。
国は免許更新の際、70歳以上の実車指導を含む「高齢者講習」に加え、75歳以上に「認知機能検査」を義務付けている。しかし、高齢者人口の増加、施設や対応人員の不足などの理由で、講習待ち日数の長期化が全国的に課題となっている。
神奈川県の講習待ち日数は平均40・7日で、全国平均の35・4日(いずれも2022年12月時点)を上回る。認知機能検査でも県内の平均は37
・5日で、全国平均の35・8日と比べ長い。川崎市内4カ所の教習所でも予約が2カ月待ちという施設もあるなど混雑が続いている。
こうした状況を受け、今回祈祷殿駐車場に開設された施設は、教習所以外で初めて実車指導が受けられる運転コースを整備。認知機能や視力の検査も受けられることから、混雑緩和の一助になることが期待される。運営は川崎市交通安全協会が県警から業務委託を受け行う。
現状、1日あたり8人を受け入れており、5月の連休明けには4倍に増やす予定という。県警の運転免許本部は「施設を運営する市交通安全協会と共に課題となっている高齢ドライバーの講習待ちの改善を進めていきたい」と話す。
自主返納は減少傾向
県内の70歳以上で免許証の保有者は約68万6千人(22年12月時点)で、13年の同時点から約20万人増えている。また自動車事故を減らすために推奨されている高齢者運転者の免許自主返納率(70歳以上)は、東京・池袋で車が暴走し、母子らが死傷した事故があった19年の5・9%をピークに減少。20年は5・4%、21年は5・1%、22年は4・1%となっている。
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