おれんじあさおの共同代表を4月から務める 大竹 明さん 王禅寺東在住 64歳
人のために、人をつなぐ
○…麻生区が掲げる「認知症にやさしいまち」の実現に向け、今年2月に発足した認知症支援推進活動団体「おれんじあさお」。共同代表として、認知症に対する偏見をなくし、共生できる社会を目指す。「上手に付き合う技術を学ぶというより、まずは認知症を『自分ごと』として考えるようになってほしい」と区民に対し、意識の切り替えを呼びかける。
○…大学では物理を専攻したが、他分野に挑戦しようとコンサルティング業に就き、プロジェクトの管理を担当。「課題を見つけたら解決しないと、と思う性分。この仕事は性格にも合っていた」とビジネスの場で活躍した当時を振り返る。転機となったのは東日本大震災だった。テレビで被災地の惨状を見て考えが一変。「人の力になれることを」と考えたのと同時に、両親の面倒を姉に任せっきりにしたという自責の念から、高齢者介護の道へ進んだ。培ったマネジメントの経験を活かし、特別養護老人ホームの施設長や地域包括支援センターのスタッフを務めたが、現在は介護職員として現場の視点を学ぶ。「人と直接触れ、関係性を増やしていきたい」と目標を語る。
○…休日は庭のプランターで土いじり。「育てているのはハーブがメイン。食べられるものしか作らない」とお茶目な顔をのぞかせた。インターネットでの情報収集も欠かさない。「得た情報を発信して会話のきっかけにしている」と常に周りの人の存在を意識する。
○…今後は自身の力だけでなく、近隣施設や認知症サポーターたちの協力を得て、連携を図る。「介護の世界はできることがまだある。新しいことに挑戦する力を増幅させたい」。現場で働くから見えることを大切に、人のためにできることに真摯に向き合い続ける。
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