区内王禅寺西にスタジオを構え、長年区内外の舞踊文化振興に携わってきた胡桃バレエスタジオ。今年で創立40周年を迎え、8月には麻生市民館で記念発表会を開催する。
1983年の設立以来、国内外で活躍する多くのダンサーを輩出し続けてきた主宰の伊藤胡桃さん(79)が今回を機に勇退。息子の武石光嗣さん(49)、義娘の中澤多喜さん(50)にスタジオの運営を引き継ぐことが決まった。
「いずれは交代」と胸に秘めていたという伊藤さん。創立からの年月、自身の年齢から節目の年と考え、意を決した。「2人とは20年近く一緒にやってきた。気持ちや思いは言葉にせずとも伝わっている」と信頼を寄せる。
40年間を振り返ると、自身の指導のスタイルだけでなく生徒たちにも変化があったという。「指摘が否定と捉えられることもある時代になってきた」と伊藤さん。「褒めて伸ばすだけではない。指摘も成長の幅だと伝えられるようになってほしい」と教室の未来を2人に託す。
出会ってきた教え子たちに対し「バレエをやっていたときの思い出が輝いていてほしい。その輝きが皆の今後の自信になれば」と思いを語る。
「形式美」守りつつ
今後スタジオをけん引していく中澤さんは、「バレエは基礎の上に成り立つもの。その中で表現する楽しさを見つけてほしい」と方針を語る。姿勢やポジションなど守るべきものも多いバレエ。伝統的な形式美を大切にしていくという、伊藤さんが導いてきた教室のあり方を、2人も継承していく。
一方で、コンテンポラリーダンスやジャズといった新たな動きも加える作品づくりにも挑戦する意向だ。武石さんは「クラシックバレエというベースの上で、表現の多様性を大切にしていきたい」と強く語る。
今回の発表会で披露する『コッペリア』は喜怒哀楽がはっきりとした物語性の強い作品。通常より演技の側面も際立つという。生徒たちはその自由さに目を丸くすることも。「楽しいという気持ちから踊れるようなバレエ教室でありたい」と2人は今後の展望を語る。
記念発表会は8月13日(日)、午後4時30分開演。事前申込み制。
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