先月区役所で行われたイベントを企画したAya Arts Companyの代表を務める 茂木 理(あや)さん 栗平在住 48歳
どの経験も「人」のために
○…自身が介護者を務めた重度障害者をモデルに脚本を執筆した音楽劇『海老満月』や、当時者の話から現状を学ぶイベントを先月区役所で実施。障害という言葉によって、当事者の生き方を決めつけてしまう人が多いことに疑問を抱き、企画した。言葉だけでは分からないリアルを伝え続けることに意味を見出す。「先入観を持たず、吸収力のある子どものころから考えてほしい」と、幅広い世代に向け発信する意欲をみせる。
○…劇団四季入団を夢見て東京音楽大学に入学。努力を重ねオペラ歌手としての将来も考えたが、「初志貫徹」と夢を追い続ける選択をした。情報収集を絶やさず、持ち前の歌唱力、バレエの技術を武器に難関試験に一発で合格。けがを機にやむなく退団した後はシステム会社で広報ノウハウを学んだ。子育てをしながら歌の教室を開講し、後進育成に注力。「全ての経験が今に生きる。選ぶカードの量やタイミングを学べた」と決断の重要性を語る。
○…昨年から地域の塾で英語を指導する中で、英会話に苦手意識を持つ子どもが多いことを知った。培った舞台経験、脚本の経験を活かし、子どもが英語を習得するための英語教育ミュージカルを企画。特待制度や招待枠を設け、どの家庭でも平等に参加できるようにと工夫を凝らす。「英語は人生を楽しむためのツールだと知ってほしい」と期待を込める。
○…どの活動も「関わる全ての人が満足できる」ことを目標に取り組み、かつての経験から、芸術分野とビジネスの両立を目指す。現在は主宰団体で音楽劇の稽古を行いながら、団体内で広報や金融知識について学ぶ機会を設ける。「自分のつけた足跡が、ほかの誰かの役に立つように」と歩みを止めない。
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