「第72回神奈川県吹奏楽コンクール」が先月開催され、麻生区内の市立西生田中学校と市立金程中学校が金賞を受賞し、県代表に選ばれた。2校は9月16日(土)によこすか芸術劇場で行われる東関東大会に挑む。
両校は30人以下の編成のB部門に出場。7月の地区大会を勝ち抜き、8月の県大会では金賞受賞校13校のうち東関東大会に進む12校に選ばれた。
「表現力」で掴んだ初出場
西生田中学校は今年初めて東関東大会へ出場を決めた。ユーフォニアムを担当する部長の永井彩良さん(3年)は「勉強との両立など大変なこともあったけど、積み重ねた努力の成果を発揮できてうれしい」と安堵の表情を見せた。
今回演奏したのは、約30年前に起こったチェルノブイリ原発事故をテーマにした楽曲。強みの「表現力」を発揮するため、練習の前に、部員全員で音楽からストーリーを想像し、どのように演奏するか話し合った。相談を重ね、不協和音から始まる不安感とクライマックスに向けての希望との対比を大切にした。
顧問の梅田裕一教諭は作曲者の林大地氏に直接連絡をとり、同校の演奏音源を送ってアドバイスを依頼。返信には、音の出し方や部員へのメッセージなど丁寧な言葉が並んでいたという。梅田教諭は「講師や保護者だけでなく、周りの人の支えがあってこそだと実感した」と語った。
副部長でチューバを担当する依田亞澄(あすみ)さん(3年)は「同大会への出場は部の歴史上初めて。結果はもちろん、練習の過程や強みを生かして、悔いの残らない舞台にしたい」と意気込んだ。
3年生の強い気持ちで
金程中学校は2年ぶりに東関東大会の舞台へ。県大会では「うまく音を響かせられず、部員一同悔いが残る演奏だった」と、ホルンを担当する部長の杉田明日音(あかね)さん(3年)。「金賞がもらえると思っていなかったので、驚きが先行した」と率直な思いを語る。
今年は佐渡島に伝わる悲恋の民話を題材にした、暗く緊張感の張りつめる曲に挑戦した。副部長でフルートを担当する塩坂ひなたさん(3年)は「この雰囲気の選曲は珍しいけどバンドの強さを最大限発揮できる曲だった。壮大さを表現できるよう練習を続けた」と振り返る。
本番のメンバーとして出場した27人のうち、3年生は5人。3年生が少ないながらも、選曲をした2月から目標はぶれることなく「東関東出場」だった。顧問の白井勧也教諭は「3年生は勉強との両立が難しい中、努力で乗り越えてくれた。今回の結果は間違いなく3年生の強い気持ちのおかげ」と賛辞をおくった。
2年前の東関東では惜しくも銅賞。杉田さんは「今年こそは金賞。県大会のような悔しい気持ちにならないよう、モチベーションを保ち、納得できるような演奏をしたい」と抱負を語った。
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