かわさきFMに出演中のガールズバンド「トゲナシトゲアリ」。無邪気なトークで和みを届ける5人は、川崎が舞台のテレビアニメ『ガールズバンドクライ』のために数千人のオーディションを勝ち抜いた精鋭だ。声優兼ミュージシャンとしてアニメの世界観を発信している。
メンバーはボーカルの理名(16)、キーボードの凪都(23)、ギターの夕莉(23)、ドラムの美怜(20)、ベースの朱李(20)。かわさきFMで月曜午後9時から放送中の「トゲラジ」では交代でMCを務め、リスナーから届く新企画も取り入れながら楽しく番組を進めている。最年少の理名は「身振りとか擬音とかが使えないので難しい」と苦笑いする。
5人は、BS11などで4月に放送が始まるテレビアニメ『ガールズバンドクライ』の声優を務め、作中のキャラクターと同じパートをそれぞれが担当するリアルな5ピースバンドだ。
アニメのために2021年6月から始まった声優オーディションイベントで数千人の中から選ばれた。作品に先行して昨年5月から現在まで計10曲をリリース。8月にリリースした『爆(は)ぜて咲く』はユーチューブで再生回数1035万回を記録し、話題を呼んでいる。初ライブから半年がたち、凪都は「つい最近も『5人の体内に流れる音楽の息がぴったりあってる』と実感した」と笑顔を見せる。
工場群も背景
アニメ制作は『ONE PIECE』などを手掛ける東映アニメーション。一般的なアニメ作品は1秒間に8コマか12コマの作画を動かすが、同社は今回、全編を通して1秒間に24コマの画像を動かす「フルアニメーション」の手法を用いている。
作品の詳細は公開前だが、挫折を抱えて地方から上京した5人の少女が川崎で出会い、音楽を通じて成長する物語という。作中、ラゾーナ川崎やラ チッタデッラ、工場群の夜景など、実際の町並みが登場する。
川崎を舞台に選んだ理由を、東映アニメーションの平山理志プロデューサーは「地方から上京する少女たちにとって地に足がついた暮らしができる、東京近郊の街を探した」と説明する。4年前からロケハンを続け、外国人が多く暮らす川崎の多様性にも注目。「ダイバーシティの要素もメッセージとして伝えたい」とも語る。
川崎市出身の美怜は「自分の思い出の場所が、さらに大切な思い出になると思うとうれしい」と話す。3月16日(土)には横浜市西区のライブハウス「横浜・1000CLUB」で初の単独ライブを開催するが、美怜が「地元の友達が来たら恥ずかしい」と照れる一方で、湘南出身の凪都は「たくさんの友達に来てほしい」と気合十分だ。
5人の目標は、アニメの予告編で少女が掲げる目標と同じ「日本武道館」だという。
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