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麻生区版 公開:2011年4月8日 エリアトップへ

アルテリッカ演芸座で腹話術を駆使した寄席を披露する 城谷 護さん 幸区東古市場在住 70歳

公開:2011年4月8日

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”恩返し”笑顔に込めて

 ○…ゴールデンウィーク中に新百合ヶ丘周辺で開催される芸術の祭典「アルテリッカ2011」のアルテリッカ演芸座でプロの腹話術士として舞台に立つ。芸の世界に魅了され25年。パートナーの”ゴローちゃん”と共に国内外で数多くの公演をこなしてきた。児童劇から現代劇までマルチに対応する。観衆の表情や現場の空気をつぶさに感じ、その場を一瞬で笑顔に変えてきた。「誰もが楽しめる舞台で、一人でも多くの人を笑顔にできれば」

 ○…幼少期を過ごした昭和30年代は腹話術の全盛期。小学校で見たプロの腹話術は今でも忘れられない。20代で芝居の世界に興味を覚え、幸区を拠点にする「京浜協同劇団」に入団。多くの俳優仲間と舞台を共にするなか、自分一人で生み出せる笑顔について模索し、45歳で腹話術の世界に足を踏み入れた。弟子入りを志願し続け、やっとの思いで師匠に師事。決して早いスタートではなかったが「腹話術の世界に年齢の制限はない。大事なのは人を笑顔にしたいという気持ちだけ」との信念を貫いてきた。

 ○…人のために活動する熱い姿勢は幼少期に遡る。7人兄弟の大家族で育ち、常に人の温かさに触れて育った。困った人に手を差し伸べる両親の背中。高校進学時に経済支援をしてくれた地元の人々。「自分はここまで多くの人たちに支えられて生きてきた。だからこそ腹話術で恩返しをしている」。先月末にとどろきアリーナに駆けつけたのもそのため。東日本大震災の避難者に笑顔を取り戻したいとの一心だった。

 ○…プロとして舞台に立つ傍ら、若手の人材育成にも力を注ぐ。プロ・アマ問わず指導してきた数は300人以上。技術だけでなく、プロとしての心構えも指導する。「(腹話術が)下手くそでもいい。大事なのは自分の芸を通じて、少しでも誰かを元気にしようという”心”。こうした精神が少しでも多くの若手に伝わってくれれば、師匠冥利に尽きる」
 

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