川崎の特産品「多摩川梨」のジャムを使った地産地消メニューが、期間限定で復活。多摩区登戸の障害者就労支援事業所で加工されたジャムを使ったパンやケーキが、JR南武線沿線の店舗などで11月23日まで販売されている。
南武線が2014年、新車両導入に伴う沿線活性化事業として始めた「地産地食キャンペーン」。3年目を迎える今回は「多摩川梨ジャム&ホイップクロワッサン」(230円)がベッカーズ武蔵溝ノ口店や武蔵小杉店など4店舗、「多摩川梨ジャムのトレインパウンドケーキ」(700円)がリトルマーメイド武蔵新城店の店頭に並ぶ。
規格外の梨 提供
この多摩川梨ジャムは、精神障害のある人に働く場を提供し、就労に向けた訓練などを行う「はっぴわーく」(嘉門琢美所長)で作られたもので。事業所の定番商品だ。09年から始まった同施設でのジャム作りは、販売できない規格外の梨を地元農家が提供してくれたことを機に始まった。
当初ははっぴわーくを運営する「たま・あさお精神保健福祉をすすめる会」のグループ施設等での催しや保育施設での販売に限られていたが、梨のジャムという珍しさと、地元の農産物を使用していることで注目を集め、認知度が高まっていったという。
梨を提供する石井梨園(登戸)の石井務さんは「障害者のために何か役立てばと思って続けている。ジャム作りで日常生活に張り合いを持ってもらえれば」と語る。ジャム製造と販売の責任者、田中敦子さんは「JRとの取り組みによって、福祉の業界以外からも良い反響が聞かれるようになって嬉しい」と手応えを話す。
はっぴわーくではジャム製造の稼働率を上げ、店頭販売やJRに商品を提供しているが、品薄の状態が続くほどの好評ぶりという。嘉門所長は「ジャムの人気で障害者と地域がつながることができた。メンバーの自信にもなっているこの取り組みで、障害者への理解がさらに広がっていくよう貢献できれば」と語った。
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