専修大学野球部のエース右腕で、福岡ソフトバンクから2位指名を受けた 高橋 礼さん 多摩区在学 22歳
困難を面白さに変えて
○…プロ野球ドラフト会議が行われた先月26日、生田キャンパスの会見場には恩師の齋藤正直監督、野球部員や家族、関係者が集い、歓喜と祝福に包まれた。「高校、大学時代はほぼ毎試合を見にきてくれた両親、わがままを聞いてついてきてくれた野球部の仲間に感謝したい」。188センチの長身から変則アンダースローで繰り出される速球と変化球を武器に、新天地に挑む。
○…千葉県松戸市で生まれ育った。小1のとき母真子(しんこ)さんの勧めでソフトボールを始め、プロ野球選手の夢を抱くように。5年から硬式野球の松戸ボーイズに入団。当時、落合博満監督率いる中日の試合をナゴヤドームで目の当たりにし、大勢の観客と球場の大きさに衝撃を受けた。「いずれはここでやりたい」。中学3年の春、ボーイズのコーチの教えで上手投げから下手投げに転向。専修大松戸高校では投手一本に絞り、投球術や守備力を磨いてきた。授業中は教員から生活態度の注意を受けることもあり、「人間性は野球につながる」と痛感。「その教訓はいずれ次世代に伝えたい」。そっと胸中を明かす。
○…大学野球部では、自己管理がより重視される環境に。1年秋から登板機会を与えられ、翌年は大学の日本代表にも選ばれたが、3年のときはエースとして結果が出せなかった。「毎日練習していても試合に直結する内容になっておらず、緊張感が足りなかった」。目標を日々設定して練習量を増やした結果、練習時の投球フォームが試合でもできるようになった。「一つずつ課題をクリアしないとうまくならない」。好奇心を掻き立て、失敗に立ち向かう。
○…普段は伊勢原市の寮から、多摩区の校舎に通う商学部4年生。行きつけのうどん屋がある向ヶ丘遊園駅周辺は、故郷の雰囲気に何となく似ているという。帰省すれば「おふくろの味」の唐揚げに舌鼓を打つ。信頼を寄せ、支えてくれた両親を本拠地福岡の球場に招待するのが、密かな夢だ。
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