放課後の市立学校で住民らが児童に学習支援などを行う「地域の寺子屋事業」の開設数が、川崎市の計画を下回っている。所管する市教育委員会は今年度予算で77団体分の業務委託費を用意したが、11月13日時点の事業者数は43団体にとどまる。
講習を受けた地元住民が「寺子屋先生」となり、希望者に週1回の学習支援、休日等に体験活動を行う同事業。活動団体は年間約100万円の費用で運営を委託され、児童の学習意欲向上に加え、高齢者らに地域活動の場を提供する取り組みだ。
市教委は2014年度に同事業を開始し、21年度までに全小中学校(小学校113、中学校51)で寺子屋を展開する計画を進めている。当初は既存のまちづくり組織などによって開設が進んだが、3年目以降は想定を下回る件数で推移。今年度は新設39カ所を含む予算計画に対し、現時点の開設は5カ所。運用総数も34カ所不足している。
学校との連携カギ
運営者の一人は「子どもと地域の関係づくりや親の負担軽減で成果は感じている」とする一方、「他校でも立ち上げを検討したが、学校側が難色を示したケースもあった。地域と学校の双方が意欲的でないと成立しにくい」と頭を抱える。
市教委は「事業の担い手がNPOなどから、意欲のある市民団体や個人に移行しつつある。その場合、仲間集めや学校との調整に半年から1年かかるのが難点」とも指摘。「教育長から各校に事業説明を行い、学校の理解を得てきた。地域の認知度も広がっており、問い合わせは増えている。今年度中にあと4カ所以上を新設する計画も進んでいる」との見通しを示す。
さらに事業拡充に向けて「寺子屋先生を担う町会関係者らに直接、新設を提案するなど、踏み込んだ取り組みを続けていく」としている。
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