区内町会「百合ヶ丘勧交会」がこのほど創立50年を迎えた。新百合ヶ丘駅ができる以前から活動する同会は、道路整備や街並み保全に尽力。現在も高齢者や子ども対象のイベントなどを精力的に行っている。
同会は1968年に発足し、エリアは上麻生2丁目のほぼ全域と王禅寺西1丁目、4丁目の一部を含む。「勧交会」という名は同地の土地分譲会社であった勧銀土地建物(株)(当時)の1字を取り、住民の交流の場という意味で付けられたという。
環境整備に尽力
同会発足から6年後の1974年、新百合ヶ丘駅が開業。エリアの利便性が高まった一方で幹線道路などインフラは未整備だった。そのため南百合丘小学校そばの「11m道路」と町内を横断する「7m道路」に進入して駅に向かう車両が増大。多いときで1日約8000台の通行があったという。歩行者の安全確保や排気ガス汚染を防ぐことが町会の課題となった。
同会会員は歩道や街路樹の設置要望を行政に提出したほか、大気汚染測定を行い、データを用いて交通量削減を交渉。2000年には11m道路の大型車両の進入規制が認められ、2010年には7m道路の歩道拡幅が実現した。尻手黒川線の開発についても、近隣町会と調整し行政と条件交渉を行った。
また、同会は2007年に自主ルール「住環境保全憲章」を制定。土地を分割譲渡する「ミニ開発」を行わないことや、集合住宅を建てないことなどを定め、閑静な住環境保全に努めている。
島村常男会長(72)は「最初は山林ばかり。住民も土地を買って外からやって来た人がほとんどだったが、みんなで作り上げてきた」と語る。
歴史紡ぐ町会活動
発足時は約200世帯だったが現在は約940世帯が加入する同会。独自の町会活動も続けてきた。1977年には「勧交会ニュース」を創刊。交通問題について住民に伝えたほか、今も発行を続ける。
2005年には活動拠点となる「百合ヶ丘勧交会館」が完成。毎月10日に実施する交流会「ももとせの会」やサークル活動、子ども向けにクリスマス会などが開催されている。
今後の町会活動について島村会長は、住民の高齢化と役員の世代交代を課題にあげ「65歳以上の住民は30%を超えている。サークル活動に出てもらうほか、高齢世代と若い世代の交流を生み出したい」と話している。
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