区内王禅寺みどり町会が、空き家を活用して町内会館「みどり町会サロン」をオープンさせた。市と川崎市住宅供給公社が連携して行う地域主体の空き家活用事業として、市内で初めての取り組みだ。
王禅寺みどり町会は王禅寺西1丁目の一部と3丁目の一部が範囲で、1966年に設立。現在は約400世帯が入会する。
市は、約2年前から建物や住民の高齢化が進む麻生区、王禅寺エリアに空き家活用事業を提案し、同町会が賛同。同町会は中川嘉憲会長(83)ら役員7人の運営準備委員会を立ち上げ、昨年1月から市や関係者と一緒に空き家の活用事例等について勉強会を実施。町内の空き家を調査し、活用に前向きな回答があった3件のうち1件と、昨年7月から交渉を開始した。
交渉先の所有者は「(所有者の)母が町会にお世話になったので役に立てれば」と交渉はスムーズに進み、所有者と覚書を締結。今年1月から試行運用。4月から正式にオープンとなった。同町会には今まで町内会館がなかったため、役員会などは近隣の施設を借りて行っていた。中川会長は「町内で集まれる場所があるのはありがたい」と話す。
月一茶話会を実施
「みどり町会サロン」は床面積72平方メートルの木造2階建の一戸建住宅で20人ほどが入ることができる。同所では、地域住民が交流できる茶話会を月一回開催。「気軽におしゃべりできる場がとっつきやすいかと思って」始めたと語るのは運営委員の串田桂子さん(64)。健康体操や頭の体操ゲーム、食事、健康・栄養に関するミニ講座を行い、多世代交流を図る。広瀬清志副会長(76)は「まずは場所を知ってほしい。子ども会や将棋、手芸の集まりなど活用が広がれば」と話す。
2013年の住宅・土地統計調査によれば、市内には一戸建ての空き家が6510戸あり、世帯が長期不在、取り壊し予定になっている住宅は3590戸と半数以上を占める。市の担当者は「空き家のスペース活用をほかの地域でも進めていきたい」と話している。
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