連載 80 市民理解が得られないお金の使い方 その2 市病院局による不正会計と公文書改ざん明らかに みらい川崎市議会議員団 こば りか子
先月閉会した決算議会で病院局の不正行為が、同じ会派の岩隈議員の調査により、様々明らかとなりました。
市病院局は井田病院内レストラン事業者に対し、本来請求すべき光熱水費約1145万円の徴収を5年間に渡り、ミスにより行っていませんでしたが、そのことを市幹部が把握した後も3年間、議会への報告や対外的な公表もせず隠蔽し続けていました。そればかりか、未請求分1145万円については本来一括納付通知書の送付が必要ですが、現年度分と未払い分を同時に支払うことは事業者の負担になることから、未払い分を市が一旦肩代わりしたうえで事業者への分割払いを市側が提案し、さらに賃料免除の提案まで行う便宜供与も判明。しかも、その際に必要となった決裁文書等の日付と内容を事業者に依頼し改ざんするなど、公文書改ざんと談合疑惑まで明らかとなったのです。
不適切な財務事務処理
現在、未請求分について事業者は分割納付していますが、その合意文書は存在せず『口約束』という法令上予定されていない行為で処理されているため、分割納付金は、債権でも未収金でもない状態で病院局の過年度損益修正金に計上されています。また、未請求分の残金約560万円は、病院事業会計上どこにも存在しないという不適切な財務事務執行が行われていることも明らかとなっています。
こうした一連の不正会計処理や公文書の改ざんを代表質疑でも指摘したところ、担当副市長は謝罪と検証作業を行う答弁がありました。監査委員からは『不適切な財務事務処理』と指摘されているにもかかわらず、私たち会派と無所属議員3名以外はこの病院事業会計を認定したため、これだけ不正が明らかになりながら、病院事業会計は結果として認定されてしまいました。
私たち議員の役割のひとつには、税金が適切に使用されているか、事務執行が適正かなど「チェック機能」があります。今回のように公文書改ざんや隠蔽、談合など不正行為で取り繕われた決算書であることが明るみになった事案でも議会が「認定」するのであれば、もはや決算審査自体が不要であり、議会の存在意義さえ問われると考えます。
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