地域でボランティア活動を続ける 竹市 八郎さん 万福寺在住 84歳
顔の見える交流が秘訣
○…退職後、初めて地域と向き合った。町内会長を務め地域とつながり、地域の小学校の周年事業でヤマユリの植栽を始め、町内会のイベントが区全体へと広がり和凧の会を立ち上げたりと、ボランティア活動を続けてきた。会社勤めのときはまさに「寝に帰ってくるだけ」だった街づくりに心血を注ぐ。
○…群馬県藤岡市生まれ。8人きょうだいの末っ子。実家は農家で、「田んぼの中で育ったようだよ」と笑う。川をせき止めて魚釣りしたり、凧を揚げたりして遊んだ。大学進学のため上京し経済学を学んだ。卒業後、証券会社へ。高度経済成長真っただ中だった。調査部に配属され、「将来有望な会社を探し、資金調達などの手伝いをする。会社の命運がかかるから毎日が緊張の繰り返し」と振り返る。
○…仕事柄、企業トップの人たち会うことが多く、話を聞いてもらうために情報を集め、さらに勉強した。「魅力的な人とたくさん出会えた。そういう人たちとの会話も私の財産」。取締役となり、その後、知人の紹介で株式上場を目指す会社で財政の整理、資産調達などを取り仕切り、64歳で一線を退いた。
○…「次は何をしようか」と思ったときに町内会の役が順番で回ってきた。地域活動に必要なのは「顔の見える交流」と感じた。イベント来場者にも役割を与える工夫をした。「そうすると次も来てくれ、声を掛けやすくなる。さらに輪が広がっていく」と話す。地域ことだけでなく、麻生市民交流館「やまゆり」の立ち上げに尽力してきた。「バブル後を『失われた20年』と言うが、協働や市民活動など新たな価値が誕生した20年でもあった」と実感する。「役立てることがあれば、新しいことを始めたい」とまだまだ現役。
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