分譲マンション「新ゆりグリーンタウンポプラ街区」が先月、(一社)マンション計画修繕施工協会が主催する「第11回マンション・クリエイティブリフォーム賞」で全国17物件の中から特別賞に選ばれた。管理組合や施工者らが協力して徹底したコロナ感染防止対策を行い、排水管設備の修繕を行ったことが他の模範になると評価された。
同賞は、分譲マンションの計画修繕工事で、創意工夫、人・建物に優しく、誠実に行った工事施工者や、設計監理者、管理組合を表彰するもの。建築資産としてマンションの価値を高めることを目的に、2011年から毎年行われている。今回は、全国17物件の中から、優秀賞3物件のほか、同マンションが特別賞を受賞した。
同マンションは1993年に竣工。2棟571戸、13〜14階建ての鉄筋コンクリート造りで新ゆりグリーンタウン白山四丁目第一管理組合が管理している。
今回の修繕は、共用部と、各戸の専有部にまたがる排水管の工事計画として2015年からスタート。2019年に1号棟の工事が完了し、昨年3月から2号棟の工事が始まった。しかし、緊急事態宣言を受けて4月から工事が一時休止に。中断中に、同管理組合や自治会、マンションの維持保全委員会、施工業者の(株)スターテック(大田区)、設計監理を務めた(株)小野富雄建築設計室(世田谷区)らと再開時期や対応について検討を重ねた。
マンションの価値向上に
居住者に向けたアンケートでもコロナへの感染に対する不安が多かったため、協議の結果、居住者、施工業者がそれぞれに徹底した感染対策に取り組んだ。居住者側は業者が各戸に入る2週間前から検温を実施。各戸への消毒液の配布や、エレベータホールにも消毒液を設置するほか、手すり等の定期的な消毒に努めた。
また工事説明会の代わりに、施工業者と共同で説明資料とDVDを作成。工事の内容や、すでに工事を終えた1号棟の住民の体験談を収録し、各戸に配布した。施工業者側も検温や消毒、玄関ドアの開放や排風機の設置など感染対策を徹底しながら工事を進め、昨年11月に完了した。
今回の修繕工事について(株)スターテックは「計画段階から管理組合をはじめ、居住者の方々が施工業者の目線に合わせてご協力いただけた」と話す。受賞に対して小野富雄建築事務所は「築年数が経つと高齢化が進み、価格が下がる傾向にある。今回の受賞で、長く住みたい、若い人が購入したいと思ってもらえるようになれば」と語る。工事期間中に管理組合の理事長を務めた松川靖男さんは「今回の取り組みによって、住民自ら何ができるか考えるきっかけになった。若い人たちに住んでもらえるマンションになるよう、居住者で活動を続けていきたい」と話した。
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