「区民手作りの音楽祭」を掲げる麻生音楽祭が、今年は20日(日)から麻生市民館で行われる。市民館が誕生してまもなく始まり、長年「芸術のまち」を支えてきた同祭。昨年、初の中止を経て感染対策を講じて再開する。
麻生音楽祭は、区内で活動する音楽団体や学生らの成果発表の場として、1986年から毎年開催してきた。
昨年は新型コロナにより、開始以来初めての中止を余儀なくされた。今年の開催は決まったが、企画運営を担う実行委員会が最も気にするのは感染対策だ。合唱団体による「コーラスのつどい」ではリハーサルなし、歌唱時の間隔確保、マスク着用が必須。実行委員の鈴木武夫さん(74)は「飛沫対策は考えているが、何かあったらどうしようと心配は尽きない」とこぼす。
観客も事前応募にして制限(申込みはすでに締め切り)。一方、複数のジャンルで定員に対し2倍近い応募があった。「まちの皆さんの、演奏を聞きたい気持ちを感じる」と同祭実行委員長の横須賀朝子さん(72)。「無事にやりきることを第一に、2年分の思いを込めたい」と意気込む。
同祭のはじまりは37年前、現在の新百合ヶ丘駅前のバスターミナルで行われた有志の音楽イベントにさかのぼる。翌年の85年には千人収容の麻生市民館が誕生。「今度はホールで演奏したい」との声が高まり、教育機関も巻き込みながら準備を進め、86年5月に1回目の音楽祭が行われた。
今では6月から7月にかけて、合唱、器楽アンサンブルなどジャンルごとに開催。1年あたりの累計出演者は約9千人に上る。開始時から携わる横須賀さんは「学生のとき出演した人が後に違うジャンルで出演することも。そんな循環もうれしい」と継続してきた意義を語る。今後も「市民が気軽に音楽に触れる機会を続けていきたい」。
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