柿の実幼稚園(上麻生、小島澄人園長)で6月28日、医療法人社団栄和会(中原区、檀之上和彦理事長)による無償の眼科検診が行われた。スマートフォンなどの普及によって小児の近視有病率が増加している昨今。同法人の呼びかけで市内の幼稚園で専門医による初の検診が実現した。檀之上理事長は「他の園でも実施できるよう呼びかけていきたい」と話す。
国内の小学生の近視有病率は、6歳が60%以上、12歳で90%以上であると2019年に論文が発表され、6歳未満でも有病率が増加傾向にあるという。その原因は、スマートフォン等の普及によるデジタルデバイスの使用などが挙げられる。
6〜8歳までに目の機能が確立されることから、視力異常の早期発見・治療が重要だとして、今回、市内でも有数の園児が多い同園で眼科検診が実現した。
検診を実施したのは、年中、年長クラスの約570人。4日間で視力検査や、医師による診察、専用機器を使った眼位・眼軸、屈折異常等の検査が行われた。檀之上理事長は「予想以上に何らかの異常がある子どもが多かった」と診察した印象について語る。
検査結果は、1カ月後に同園と保護者に手渡され、東邦大学と連携してデータ化もする予定。「データを解析することで、今後の検診体制の構築に役立てていきたい」と檀之上理事長。一方、小島園長は「30、40年前は眼鏡をかけている園児は少なかった。今は一割くらいがかけている。検診で保護者に異常に気づいてもらい、園児にも目が大事だとわかってもらえれば」と話す。
市にも要望
現在、幼稚園や保育園での定期健診では眼科検診は行われていない。川崎市眼科医会(金子敏雄会長)では昨年末、川崎市に3歳児や未就学児、市の健診に眼科検診の充実を求める要望書を提出。眼科検診体制の構築を進めていく意向だ。
同会の副会長も務める檀之上理事長は「神奈川県や日本眼科医会でも、眼科検診の体制構築に向けた動きがある。川崎市が先駆けてやることで、安心して生活できるまちにしていきたい」と話している。
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