「味覚の秋」到来--。秋に旬を迎える食べ物の中で、麻生区の地名になっているのが「柿」と「栗」だ。
柿と言えば「柿生」。柿生の地名は、王禅寺の山の中で発見されたとされる「禅寺丸柿」が由来とされている。小田急線の駅名になっているが、実は、住所に「柿生」の名は存在しない。
麻生観光協会の作成する「禅寺丸柿」のパンフレットによると、1889年(明治22年)の町村制の施行に伴い、都筑郡の十カ村が合併して「柿生村」となった。この時に、地域特産の禅寺丸柿の収穫が多い理由から「柿生まれる村」から名付けられ、1927年(昭和2年)に開業した小田急線の駅名にもなった。1939年(昭和14年)に、柿生村と岡上村が川崎市と合併したため、柿生村の名は50年ほどでなくなり、現在では、駅名と地域の総称として親しまれている。
一方、「栗木」「栗木台」「栗平」の地名は、川崎市が発行する書籍『川崎の町名』によれば、この地域に栗の木が多かったとされる説がある。一方で、周囲に丘陵の尾根が連なり、東に開けている地域の特徴から、傾斜地を意味する「刳る(くる)」が「栗」の語源とされ、江戸時代の貞享、元禄期の文書に「栗喜」と書かれた文書が残っており、そこから名付けられたとされる説もある。
昔は、栗木、栗木台、栗平の一部を含めて「栗木村」と呼ばれていたが、明治の町村制の施行で「柿生村」の大字となり、1939年に川崎市に編入された。
「栗木」は、地元の人であれば「くりぎ」と読めるが、知らない人からすると「くりき」と読んでしまう。なぜ「ぎ」と濁るのか。書籍を調べ、古くから住む人たちに聞いてみたが、わからずじまい。ご存知の方がいれば編集室までご連絡を。
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