ビールの苦みや香りの原料となる植物「ホップ」を区内の有志家庭で育て、植物のカーテンをつくるプロジェクトが先月から始まった。企画者の福澤雄太さん(31)=人物風土記で紹介=は「住宅地域の緑化を促進するとともに、育てながら参加者同士の交流が深まれば」と語る。
「あさおホッププロジェクト」では、参加者がホップの特徴や手入れ方法などを学びながら、各家庭で苗を栽培。ホップのつる性の特徴を生かして、ネットやフェンスに絡ませカーテン状にする「グリーンカーテン」づくりを目指す。成長記録や栽培方法は仲間同士で共有する。
今年度の麻生区市民提案型協働事業に採択され、6月5日(日)には説明会が行われる(詳細は区ウェブサイト)。
醸造家めざす中で
福澤さんはビール好きが高じて、現在は醸造家を目指している。将来は麻生区内にも醸造所をつくろうと、ビールづくりや飲食店で修行中だ。
同時に「居住地でもある麻生区で何かできることをしたい」と思い、ビールに関係するホップに着目。個人が育てたホップでビールをつくる米・ポートランドや狛江市の取り組みを参考にし、同プロジェクトを立ち上げた。福澤さんは「住宅地が増えている麻生区で緑を増やして、人のつながりも新しく作れれば」と目的を話す。各家庭以外に、片平の金井原公園の近くの畑でもグリーンカーテンづくりに取り組む。
「繰り返し、長く」
育成するホップは「トライアンフ」というアメリカ産の品種で、柑橘の香りが特徴。うまく成長すれば8月から11月にかけて雌株に「毬(まり)花(はな)」が実る。毬花はビール以外に、リースに加工することや、天ぷらにして食べることもできるという。
「1年目で毬花をつくることは難しい」と福澤さん。しかし、多年草のホップは繰り返し育ち、株分けもできるため、何年も栽培ができる。福澤さんは「まずは楽しくホップを育てる仲間が増えたら。長く続けていき、育てたホップを使った麻生区産ビールが形になれば」と夢を語る。
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