神奈川県教員委員会は9月29日、片平の県立麻生総合高校と横浜市青葉区の県立田奈高校を再編・統合する計画を明らかにした。少子化に伴う県立高の削減計画によるもので、新校開校は2026年度を予定。統合後は田奈の敷地を活用し、麻生総合の敷地活用は統合後に検討する。
県教委は同日の県議会常任委員会で今回の計画を報告。両校を含む10校を、26年から27年にかけて統合し、新校5校を設置するという。
県内の公立中卒業生の減少や今後の推移などを理由に、県教委は16年度から12年3期で県立高を削減する計画を進めている。計画当初の142校から20〜30校を減らす予定で、両校のある「横浜北東・川崎」エリアでの再編・統合計画は初。
統合後は、総合学科のクリエイティブスクールという新タイプの学校として設置される予定。普通科と専門科の要素を持つ総合学科の麻生総合と、生徒の「学び直し」を支援する「クリエイティブスクール」に指定されている田奈の、これまでのシステムをそれぞれ引き継ぐ。県教委担当者は「学び直しに加え、生徒の『自分探し』も支援できるようになる」と新校の特徴を話す。
敷地や施設は田奈を活用。同担当者は「両校とも最寄り駅から距離があるが、田奈はバス便が多く、通学の利便性などを考慮した」と説明。麻生総合の敷地は、統合後に県や川崎市で活用案を検討する。新校名は県議会を経て、開校前年の25年7月に決定する見通し。
麻生総合は、柿生高と柿生西高が合併し、旧柿生西高の敷地に2004年開校。旧柿生高の敷地は現在、県立麻生養護学校になっている。
卒業生も驚きの声
卒業生からは驚きの声も聞かれる。区内在住で同校卒業生の女性(29)は「姉も通った学校なので、廃校になるのは悲しい。麻総は合併してできた新しい学校なので、なくなるのは驚き」と語る。4期生の男性(30)は「まさか通っていた学校に合併話が出るとは。少子化が原因で学校運営に支障があるならば、これから通う子どもたちのために合併し、より良くしていくべき」と話す。
統合計画は今月下旬に正式決定する見込み。
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