10月31日に開館15周年を迎える川崎市アートセンターで館長を務める 関 敏秀さん 麻生区在勤 61歳
地域巻き込み発展を
○…2007年10月、芸術のまちの新しいシンボルとして、新百合ヶ丘駅近くに誕生した「川崎市アートセンター」。地元の要望から生まれたこの施設では、演劇や映画が日々楽しまれている。今年4月に館長に就任。15周年を迎え「まちへのお返し」を探っている。
○…市職員としてキャリアのほとんどで議会や総務など管理部門に携わってきた中、12年前には文化を担当した。ちょうど東日本大震災が発生し、ミューザ川崎でホールの天井が崩落。「文化の灯を消してはいけない」と復旧に奔走した。この春から飛び込んだアートセンターでは、業界ならではの慣習に戸惑うことも。「あいさつは何時でも『おはようございます』。今までと勤務体制も違い、時間や曜日の感覚がまったく変わった」と苦笑する。
○…生まれも育ちも多摩区菅。できたばかりの新百合ヶ丘駅には、カブトムシを取りに行った思い出がある。「駅だけが明るく光っていて、周囲は草がボーボー。絶好の場所だった」と懐かしむ。オンオフの切り替えは読書。歴史小説が好きで、同じ人物でも書き手によって印象が異なる姿に「歴史観の違いが出ていておもしろい」と笑顔を見せる。
○…アートセンターが次のステップとして目指すのは、地域交流の場として自由に使ってもらうこと。「15年経っても、麻生区民で『知らない』『来たことがない』という方も多い。知ってもらい、来てもらい、使ってもらうことが第一歩」と策を練る。3年間の幸区長としての経験を強みにし、町会や関係者との関わりを生かしていく。常に考えているのが、地域の人をいかに巻き込むか。「まちの人たちの知恵を借りながら、施設を発展させていきたい」と力を込める。
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