区内在住の児童文学作家・横田明子さん(66)が執筆した書籍『ライスボールとみそ蔵と』(絵本塾出版)がこのほど、「第69回青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書に選ばれた。横田さんは「子どもたちがどのような感想文を書いてくれるのか楽しみ」と期待に胸を膨らませる。
同コンクールは、公益社団法人全国学校図書館協議会と毎日新聞社の主催で毎年行われている。今回、課題図書に選ばれたのは18作品。横田さんの作品は、小学校中学年の部で選ばれた4作品のうちの一つ。
母の実家モデルに
横田さんが今回手掛けた『ライスボールとみそ蔵と』は、「みそ」という日本の伝統食を手造りする古い蔵を舞台とした作品。そこに生まれた主人公、小学4年生のジュンが、友達との交流や、親たちとのつながりを通して、自分で考え、行動していく姿を追っていく物語となっている。
「母親の実家が営む、みそ蔵をモデルにした思い入れのある作品」と横田さん。作中に出てくる「蔵の壁には、一センチ四方に何億個ものコウジ菌がすみついている」という言葉は、子どものころに母親の実家に遊びに行った際、当主だった今は亡き従兄から何度も聞かされていたものだという。横田さんは「聞くたびにコウジ菌の神秘に触れた気がした。『蔵には神さまがいる』と思い、これが軸となってこの作品ができた」と話す。
今回、課題図書に選ばれたことに対し、横田さんは「作家として、より多くの子どもたちに読んでもらいたい。ジュンくんの思いや、みそ作りについてどう感想文を書いてもらえるか楽しみ」と喜び、本の出版に手応えを感じている。
麻生区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|