百合丘にある高齢者施設「まごころタウン新百合ヶ丘」で先月から、移動スーパー「とくし丸」の巡回が始まった。同施設居住者の利便性、生活の張り合いのために導入。従業員や利用者から好評を博しており、「今後は地域の人たちにも利用してほしい」と同施設担当者は展望を語る。
社会福祉法人まごころ(静岡県)が運営する「まごころタウン新百合ヶ丘」は、特別養護老人ホーム、ショートステイ、小規模多機能型居宅介護を併設する高齢者施設。近隣にスーパーやコンビニなど買い物ができる店舗がないことから、以前から移動スーパーの誘致を検討していた。
一方、「とくし丸」は、(株)オイシックス・ラ・大地のグループ会社「(株)とくし丸」(徳島県)が全国展開する移動スーパー。買い物に困っている人向けに、玄関先で対面販売をしてくれる。神奈川県内では、イトーヨーカドーなどスーパー6社と提携し、各スーパーの商品を軽トラックに積んで販売を行っている。販売先は、主に買い物に困っている個人宅で、1日30〜40軒訪問しているという。
同法人の依頼を受け、先月から毎週月曜日の午後3時に同施設を訪問。「いなげや川崎生田店」の生鮮食品、冷凍食品、飲料、総菜など400品目1400商品を取り扱う。訪問時に、欲しい商品の要望を受け入れることもある。
外部とのつながりに
6月26日に、同施設に軽トラックが到着すると、従業員や利用者が続々と訪れ、さまざまな商品を選びながら購入していった。施設利用者は「楽しい」「これはいいね」「小魚ある?」など販売員に尋ねたりしながら買い物を楽しんだ。
同施設統括事務長の松村潤さんは「近場に買い物をする場所がない中で、品揃えが豊富なので、従業員も重宝している」と話す。加えて、「利用者の買い物については、食べるものが制限されている方もいたりで課題もあった。ただ、買い物をする喜びや、外部とつながりを持つことで、生活の張り合い、認知症の予防にもつながる」と期待を寄せる。
今後は、施設利用者だけでなく、地域住民にも来てもらえるように、地域包括支援センターなどを通じて呼び掛けを行っていく意向だ。「近隣で買い物に困っている方は、ぜひ利用してもらえたら」と松村さんは展望を語る。「とくし丸」の担当者は、「施設を訪問するのは珍しい。買い物に困っている方のお役に立てるように今後も展開していきたい」と話している。
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