サポーターが買い物をエスコート
認知症の支援活動を行う区民有志団体「おれんじあさお」の主催で８月２日、認知症当事者や高齢者を対象にした「買い物ツアー」をイトーヨーカドー新百合ヶ丘店で実施した。同ツアーは、認知症や外出が難しい高齢者でも安心してゆっくり買い物ができる機会を提供しようと試行的に企画。参加した２人の当事者から好評で、今後も継続していく意向だ。
「おれんじあさお」は、麻生区が目指す「認知症にやさしいまち」の実現に向けて、今年２月に発足した区民有志の団体。「認知症共生ひろば あさお」と銘打ち、区との協働、介護事業所や地域で活動している支援団体、認知症サポーターと連携して活動を行っている。
今回の買い物ツアーは、認知症当事者や、外出が困難な高齢者でも安心して買い物ができる機会を、と初めて企画。店舗で従業員向けに定期的に認知症サポーター養成講座を実施し、麻生区の「認知症にやさしいお店」に選ばれているイトーヨーカドー新百合ヶ丘店と協働で試行することとなった。
参加者｢また来たい｣
当日は、認知症当事者２人と同行者１人が参加。認知症サポーター６人が店舗でエスコート役を務め、認知症当事者の買い物をサポートした。普段は散歩の際に、車いすを利用しているという当事者も、この日は終始歩いて買い物。日用品などを購入して回った。レジでは、代金のやり取りなど、従業員がゆっくりと丁寧に接客していた。
参加した女性は「久しぶりに買い物できて楽しかった。またぜひ来たい」と満足していた。イトーヨーカドーの担当者は「お客様の年齢層が上がってきている中で、オレンジリングなどを身に付けたり、レジや接客などもゆっくりした対応を心掛けている。今回、当事者の方とコミュニケーションを取ることができた。認知症の方や高齢者が外出する機会につながれば」と振り返った。
同団体の共同代表を務める倉石知恵美さんは「買い物は特に女性にとって楽しいもの。今回は参加できなかったけど外出機会の少ない高齢者や、認知症の方が安心して買い物できる、認知症にやさしいまちにしていきたい。今後この取り組みが定着できるように今日の検証をしながら進めていきたい」と成果と展望を語った。
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