県立麻生総合高校で11月1日、市内在勤の企業家によるキャリア授業が行われ、生徒たちは模擬ワークから経営哲学、マーケティングなどについて学んだ。同校では、課題解決型の学習から企業家精神を学ぶ授業「アントレプレナーシップ」を、外部企業の協力のもと開講。市内唯一となる同授業を2026年の統合後も目玉授業として押し出していく考え。
当日講師を務めたのは、2022年に市内で起業し、クッション型トランポリン「ゆかぴょん」を製作発売している立石有香莉さん(29)。会社員時代にダイエットのために始めたトランポリンに魅了され、一人で起業した経歴を持つ。
履修する20人の生徒に向けて、起業の動機や失敗談などを交えながら自身の経験を語った。授業の中では、「新商品の立ち上げ」などの模擬ワークを実施。生徒たちは「観葉植物型のスピーカー」など、需要や競合などを意識した商品を考え、簡単なプレゼンテーションを行った。
立石さんは「さまざまな悩みを抱えていると思うが、最終的には全てが経験値になることが伝えられたと思う。起業することだけがよいのではなく、将来の選択肢のヒントとして役に立てたらうれしい」と振り返った。
同校では2019年度から、情報ビジネス系列の選択科目として2、3年次の生徒を対象に、企業家精神を学ぶ「アントレプレナーシップ」を導入している。
同授業は「課題発見・分析力」「課題をやり遂げる力」「プレゼンテーション力」の育成が目的。「リーダーシップ」「マーケティング」「経営哲学」など、各単元に合った特性をもつ外部企業から講師を招き、課題解決型の学習を行う。過去には井村屋(株)や大塚製薬(株)、東京ガス(株)などの協力のもと、実際に各企業が抱える問題をテーマに、グループワーク、プレゼンテーションを行い、ビジネスの諸課題への学びを深めてきた。
統合後の目玉授業に
同様の授業を取り入れている学校は市内で唯一。主導する岩村夏樹教諭と曽根健吾教諭は、「必修科目だけではない専門科目を履修できる総合高校ならではの取り組み」と話す。「本物の企業家から志や失敗談などリアルな話を聞くことで、生徒たちのチャレンジ精神を育む機会になれば」と語った。
少子化に伴う県立高校の削減計画のもと、2026年度に県立田奈高校(横浜市青葉区)と統合する同校。岩村教諭は「新校での目玉授業として押し出せるよう、今後も外部企業に協力いただき、精度を高めたい」と今後の展望を語った。
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