ビールの苦味や香りの原料となる植物「ホップ」を麻生区内で育てている福澤雄太さん(32)=上麻生在住=が1月28日、小田急線五月台駅前に区内初のクラフトビール醸造所併設のビアキッチン「ペコラビール」をオープンさせた。
国内のクラフトビールだけでなく、ちょっとした料理を楽しめる同店。現在、他社から仕入れた缶や瓶のビールを販売できる酒類小売業免許、自店でビールを製造できる酒類製造免許の取得に向け、申請を行っている最中だという。
「現時点では飲食機能しかない店舗ですが、今後は他社さんのクラフトビールを販売したり、地元で採れたホップを使った地元産のビールをつくって、フレッシュなビールを提供していきたい」と福澤さんは展望を語る。
地元産ビールを
数年前に訪れた米・ロサンゼルスで、数多くの小規模醸造所を目にした福澤さん。大手企業のものとは違う、個性豊かなクラフトビールの数々に触れ、「こんな場所があるなんてワクワクした」と当時を振り返る。国内外各地のビールを飲み歩き、ビール造りや飲食店経営などの勉強、研究を重ねてきた。
2年前からは、麻生区市民提案型協働事業に採択された「あさおホッププロジェクト」を展開。プロジェクト参加者の自宅や、片平にある共同畑でホップの育成を学びながら緑化活動を推進し、ネットやフェンスに絡ませカーテン状にするグリーンカーテンづくりに取り組んできた。加えて、ホップの育成を通じた地域交流も進めてきた。福澤さんは「この地域で活動することで、のどかな住環境、農作物が豊富なエリアだということを知った。また地元の方々と触れ合うことで、本物志向の人たちが多いと感じた。この2年があったからこそ、五月台で開店することができた」と麻生区で活動してきた経験を語る。
夢だった醸造所の完成は夏頃を予定している。「クラフトビールは生鮮食品と同じ。作っている横で飲める環境が理想。夏には市民が育てたホップで地元産のコミュニティービールを造りたい」と福澤さん。かの福澤諭吉はビールについて「胸膈を開く為に妙なり(腹を割って話すに良い)」と残している。「フランクにビールを飲んでお客さん同士が仲良くなれるお店にしていきたい」と夢を語る。
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