川崎市は3月7日から11日までの5日間、新百合ヶ丘駅近くにある万福寺檜山公園に「森のカフェ」を設置し、日常的な公園の使い方に関する実証実験を行った。期間中、緑の中で本や絵本などを読みながらコーヒーが飲めるスペースや、イベントスペースを設け、地域住民らが活用。利用者らの声をもとに、市は来年度さらなる活用について検討していく。
今回、市の委託を受けて、「森のカフェ」を企画・運営したのは、青少年の体験活動推進企業表彰で文部科学大臣賞を受賞した石井造園(株)(横浜市)。「公園の利用客のプロフィールを掴みたかった。日常的にここをどのような人たちが使い、どんな利用方法があるのかを検証することが目的」と同社の担当者は今回のイベントのねらいを話す。
期間中は、公園内にイスを置き、本を読みながらコーヒーを飲みゆっくりくつろげるスペースを設置。週末の夜にはアルコールも提供。さらに、敷地の一角に芝生を敷き、地域住民が自由に使えるイベントスペースを設けた。木のレンガを置き、子どもが自由に遊べる場にしたり、合唱の練習、公園をテーマにした座談会、朗読ライブが行われた。同社の担当者は「子どもが集まる一方で、素通りする人が多い。人が滞留する場にすることで、活用方法が広がっていくことが確認できた」と今回のイベントを振り返る。
地域と連携
市は、新百合ヶ丘駅周辺を川崎駅や武蔵小杉駅周辺と同様に、広域拠点に位置付けている。その中でも、新百合ヶ丘駅は、交通結節地域でありながら緑豊かであることから、まちの魅力をさらに向上させるために、3年にわたる実証実験を計画。昨年度、「公園を知ってもらう」ことを目的に、同社の協力で、公園の木や落ち葉を使ったクラフト体験、樹木医と公園を巡り剪定や伐採などについて知るイベントを3回実施した。
2年目となった今年度は「公園について考えてもらう」ことをテーマにイベントを企画。昨年11月には、トークショー、ライブアート、美術作品展示など芸術祭を開催。今回が3回目となった。
3年目となる次年度は「公園の活用」に主眼を置き、検証していく。市の担当者は「今回ゆったりと時間を使い、フィールドを活用したことに手応えを感じている。利用者の声を聞き、地域の方々とコミュニケーションを取りながら駅周辺の公園の活用法を検討していきたい」と話した。
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