今年10周年を迎えた市民団体「海風の森をMAZUつくる会」の会長を務める 原田 歩さん 川崎区大島在住 69歳
臨海部のオアシス目指す
○…川崎市の最東端に位置する浮島町公園に潤いのある森を作ろうと、10年前から整備に尽力し、管理する市民団体「海風の森をMAZUつくる会」。現在は60人のメンバーが月3回の定期活動を行う。設立当時から代表として先頭に立ち、汗を流すのがこの人だ。これまで植樹した木々は、クヌギやクスノキをはじめ、約120種類6000本にも及ぶ。平成17年には湧水を利用したビオトープを作り、今ではメジロやウグイスなど約40種類の野鳥や、ギンヤンマやアキアカネなど約14種類のトンボなど昆虫が数多く生息する生態系豊かな公園になった。「多くの人の力でここまで整備ができた。まさかここまでの森が出来るとは思っていなかった」
○…浮島町公園は当初、目立った木々は殆んど無い荒れ果てた場所だった。「果たしてこんなところが森になるのか」。そんな思いを抱きながらメンバーと共に船出。耕運機をまわし、土の中の瓦礫を撤去するなど土作りから始めた活動は、植樹運動などの後押しもあり、寄付や助成も徐々に増え、少しずつ森を形成。「植物の種や苗、球根などを植え、森が見える形で再生していくのがうれしくてたまらなかった」と振り返る。
○…川崎区で生まれ育ち、実家の大島では東大島郵便局の局長を37年間務めた。就任当時、全国で最も若い25歳での局長だったこともあり、注目を集めた。長年地元で働き、地域の情報に精通していることから、住民からの信頼も厚く副町会長をはじめ、様々な役職を任されてきた。今でも川崎区保護司会副会長などの役職を務める。
○…これまで木を植える事に主眼を置いてきたが、これからは生物多様性を学ぶ場として森の活用にも力を注ぐ。小学校や幼稚園などに呼びかけ、森を利用した体験学習会など開催していく考えだ。子どもたちに「自然を肌で感じて緑や命を大切にする気持ちを育んで欲しい」と意気込む。
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4月25日