金山神社の宮司としてかなまら祭りを行う 中村 博行さん 川崎区大師駅前在住 32歳
「奇祭、むしろ誇りに思う」
○…女装姿の男たちが男性器を模した神輿を担ぎ、境内では性器の形をしたアメの販売が行われる。川崎区大師駅前の金山神社(若宮八幡宮内)で毎年4月第一日曜日に開かれる「かなまら祭」は、性にまつわる ”雅”な世界が展開され、奇祭として知られる。「奇祭というと、奇妙奇天烈と思われるでしょうが、奇は日本神話に登場する女神・クシナダヒメ(奇稲田姫)に代表される素晴らしいという意味なのでむしろ、ありがたい」。落ち着いた口調で説明する。
○…そもそもかなまら祭は、江戸時代の遊女たちの願掛けに由来し、今では子孫繁栄や安産、縁結び、性病予防にご利益があるとされている。性全般に関わるだけに、会場にはセクシャルマイノリティの姿も多く見られる。「マイノリティへの理解を深めていただきたい。そして、子どもができないといった悩みを抱える人たちを守る場として認識してもらえれば」とも力を込める。
○…先々代の宮司で獣医でもあった父親(故人)から、ネコなど自然界にもマイノリティが存在することを教わった。中学校、高校時代には子どもを作らない夫婦を指す「DINKS(ディンクス)」という言葉が流行った際には、同姓婚の抱える問題の一つは取り除かれたと思った。そして20歳のとき、同性愛者の結婚式に父親とともに携わり、いっそう関心を深めた。昨今のいわゆるおネエブームに対しては、「世間のセクシャルマイノリティに対する認識がやわらかくなってきたと思う」。
○…一昨年11月、先代の紀美子氏からバトンを受け継ぎ若宮八幡宮、金山神社などの宮司に就任した。父親、母親とは違った個性で神社を盛り立てていきたいと意気込む。宮司として、気がかりの一つが若宮八幡宮の社殿を挙げる。老朽化し、震災などで痛みが激しいことから「近い将来、改修を考えねば」とつぶやいた。
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12月20日
12月13日