川崎沖縄県人会(比嘉孝会長)は現在、那覇市の虎瀬公園にある、川崎出身の詩人「佐藤惣之助」の詩歌碑を首里城付近へ移設するよう求めて署名活動をしている。集まった署名は那覇市長と那覇市議会に渡す方針だ。
「六甲おろし(大阪〈現阪神〉タイガースの歌)」の作詞を手掛けたことで知られる、佐藤惣之助は1890年に川崎区砂子で誕生。1920年代には沖縄本島や離島を巡り、琉球の風物や民族を歌った「琉球諸島風物詩集」を刊行。沖縄と深いつながりを持つ。
命日の1959年5月15日には川崎市民らの寄付によって、首里城跡の旧琉球大構内に詩歌碑が建立。詩集に収められた「しづかさよ 空しさよ この首里の都の宵のいろを 誰に見せやう 眺めさせやう」の詩が碑に刻まれた。
1992年には首里城の復元に伴い、詩歌碑が同地から約1Km離れた虎瀬公園に移設。人が目にする機会がほとんどなくなっていた。
川崎市民にも協力求める
今回の首里城への移設を巡っては、元沖縄県東京事務所職員で、「『佐藤惣之助の詩歌碑』の移設を考える会」の発起人代表を務める山川宗徹氏が運動を展開。「首里城付近に移すことで多くの人に惣之助のことを思い出してもらいたい」(山川氏)という思いに賛同した川崎沖縄県人会が川崎市内で、移設を求めた署名活動を始めた。10月上旬には川崎市議会議員60人分の署名が集まった。
今後は川崎市民らにも署名の輪を広げていく考え。年内を目途に千人規模の署名を集め、年明け早々にも那覇市長や那覇市議会議員に渡し、移設を実現していく予定となっている。
比嘉会長は「川崎に住む多くの人が首里城を観光しているが、惣之助の詩歌碑を訪れる人はほとんどなく、忘れ去られている」と説明。川崎市と那覇市が今年で友好締結20周年を迎えたことも挙げ、「早く移設し、多くの川崎市民が惣之助を知るきっかけとなれば」と思いを込める。
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