当選確実の一報を受け、支援者と握手を交わす福田氏=22日午後8時過ぎ
任期満了に伴う川崎市長選挙が10月22日に投開票され、無所属で現職の福田紀彦氏(45)が川崎市長選挙過去最多の得票数となる40万票超を獲得し、いずれも無所属新人の吉沢章子氏(53)、市古博一氏(69)を破り2選を果たした。衆議院議員総選挙の投開票が同日に行われた今回の投票率は52・3%で、前回を19・48ポイント上回った。
当選確実の一報が報じられ、福田氏は「幅広い年代から多くの応援の声をいただいた。期待にしっかり仕事で返していきたい」と喜びを語った。選挙期間中、ミニ集会を各地で開き、待機児童解消や中学校給食実現など1期4年の実績をアピール。新たなマニフェストでは子育て支援の拡充や超高齢化社会を見据えた地域の仕組みづくり、臨海部を中心とした産業都市計画の推進などを訴え、幅広い層の支持を集めた。
23日の会見で福田氏は、2期目にまず手掛ける施策として、競輪・競馬事業での収益金を若者支援やひきこもり支援に充てる「子ども・若者応援基金(仮称)」創設に向け、今年度中に条例提案する方針を示し、「マニフェストを着実に実行し、 『最幸』のまちを市民と一緒につくっていきたい」と抱負を語った。
市議を14年務めた吉沢氏は、市の財政見直しや子育て支援の充実、高齢者医療、介護の最適化などを強調。22日夜、事務所で支援者に深々と頭を下げ、「市政は市民のもの。党派を超えて個人の意思で多くの支持をいただいた」と感謝を述べた。
市古氏は、市による臨海部の大規模開発等を批判しつつ、認可保育園・特養ホームの増設などを訴えてきた。同日夜に事務所で敗戦の弁を語った上で「市政を市民本位に変えていくという声は、選挙活動を通して確実に広がった」と話した。