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川崎区・幸区版 公開:2019年1月25日 エリアトップへ

ハルモニが綴った生活史 日本評論社から出版

文化

公開:2019年1月25日

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16人のハルモニたちの作文や絵画を紹介
16人のハルモニたちの作文や絵画を紹介

 川崎区桜本の識字学級に通う在日韓国・朝鮮人1世のハルモニ(おばああさん)らが綴った生活史『わたしもじだいのいちぶです』が日本評論社から出版された。

 A5判、216ページで14人のハルモニたちと日系ペルー人、日系ブラジル人の計16人による作文や絵画を載せた。タイトルの「わたしもじだいのいちぶです」は、時代に翻弄され、自分の希望通りに生きられなかったことを表した識字学級に通う徐類順(ソスユン)さんの言葉。

 4部構成で、生まれ故郷の朝鮮の思い出や家計を支えるために働きづめだった生活を振り返る。故郷や遠く離れた家族への思い、桜本商店街で行った戦争反対のデモ、ヘイトスピーチに対する心境なども綴られている。

 作文はほぼ原文のまま紹介。各ページには作文を記した背景が紹介。当時の社会状況などの解説も収録されている。

 日韓関係を巡っては徴用工をはじめとする戦後補償の問題が泥沼化している。一方、国内では在日コリアンをはじめとした在日外国人へのヘイトスピーチが深刻化。さらに外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管法改正が4月に施行される。出版した日本評論社の吉田守伸さんは「こうした同時代の様々な出来事について、生身の人の言葉を通して考えるきっかけにしてほしい、という思いで編集した」と語る。

 同書の読みどころについて吉田さんは「在日コリアンもニューカマーの移民の人たちも、自分からは遠い存在に見えても実はすぐ隣で生活していて、いろんな思いを抱きながら日々を送っているのだということが、この本を読むとよく分かる。中でも、生活についての描写の細部がとても面白い。そんなちょっとしたところから、彼女たち/彼らの境遇を想像するよすがにしてもらえたら。地元の人に手に取っていただきたい」と力を込める。

 価格は2000円税別。現在、主要書店で販売中。また、日本評論社営業部販売課(【電話】︎03・3987・8621)でも取り扱っている。
 

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