川崎区新川通にある大西家具店の代表、大西直治さんが、川崎市民の歌『好きですかわさき愛の街』のオルゴールを企画し、今年1月に製品化した。きっかけは、以前訪れた客との出会いだったという。
同店では20年程前からオルゴールを販売している。長年川崎区に住み、同曲に親しみがあった大西さん。オルゴール製品にしたいという考えはあったものの、需要を見出せず企画には至っていなかった。製品化を思い立ったきっかけは、4年程前に同店を訪れた夫婦との出会い。大西さんによると、その夫婦は毎朝ごみ収集車から流れていた曲が好きだったが、神戸に転勤してしまうことなり、「思い出に持っていきたい」と同曲のオルゴールを求め尋ねてきた。商品が無いことを伝えると、夫婦は残念そうに去っていったという。
生の要望を聞き、地元住民から少なからずニーズがあると感じた大西さんは、同曲のオルゴールの製品化を決意。川崎市環境局などの行政機関に問い合わせ、曲についての情報を収集。曲の使用方法や著作権などについて調べ、製品化に向け着々と準備を進めていった。
オルゴールは一般的な18弁(音を奏でる突起のこと)のものを使用。奏でられる音数に限りがあるため、専門の作曲家と打ち合わせを重ね、同曲で印象的な部分を使った。演奏時間は16秒で、同曲のサビの後半を2回繰り返す。大きさは直径6センチ、高さ約3センチ。手軽に聴けるものにするため、メーカーに発注する際は手のひらサイズの規格を選んだ。デザインは「『音楽のまち』にちなみ、ねじをト音記号の形にした」という。
市民馴染みのメロディーがコンパクトなオルゴールで聴けるとあって、川崎に愛着のある人が買ったり、地元企業がレクリエーションの景品にしたりしている。インターネットでこのオルゴールを知り、川崎土産として買いに来る人もいる。
大西さんは「今となっては夫婦の連絡先も分からず残念だが、いつか機会があれば、オルゴールを作ったことを報告できたら嬉しい。市民の方にはこれを聴いて、自分が住む町への地域愛を深めてもらえたら」と語った。
オルゴールの音色は、動画投稿サイトYouTubeにある「音楽のまち・かわさき」推進協議会のチャンネルにアップされる予定。
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