多摩川堤防の刈草をペレット燃料にしよう――。そんな取り組みを2017年から、(公財)河川財団(東京都中央区)と国交省関東地方整備局京浜河川事務所(横浜市鶴見区)が、幸区で共同で行っている。途中から東京国際大学も加わり、将来的には、地域資源として普及させたい考えだ。
ペレットは、専用のストーブにくべて使う長さ2センチほどの粒状の燃料。通常はおがくずなどの木質を圧縮して作る。
堤防刈草ペレットは、多摩川の維持管理を行う京浜河川事務所の提案で同財団との共同研究が始まった。多摩川沿川のうち、京浜河川事務所が管理するのは、東京都青梅市から東京湾河口までのおよそ60キロメートル。除草は年2回行われ、1回につき約500万円の焼却処分費がかかるという。同財団では処分費を縮減し、河川管理施設の整備や、河川イベントの充実化に還元したいとの思いがあったという。
製造にあわせ、有効な活用法も模索。2017年に別団体が実施した大学生向けのまちづくりコンテストで、ペレットの活用アイデアを公募し、東京国際大学の学生の企画を採用した。
18年には幸区古市場の多摩川交流センター隣に、堤防刈草ペレットの実験施設を整備。今月10日には7回目のペレット製造に取り組んだ。
地域への普及活動も進めており、9月には市立古市場小学校の児童らを実験施設に招き、ペレットづくり体験を行う。年内には多摩川交流センター内に専用ストーブを設置する予定だ。
堤防刈草ペレットは、木質ペレットに比べて燃焼時間が短いなどの課題がある。販売にあたって大量生産するには民間の製造業者の協力も必要不可欠で、製品化へのハードルはまだ高い。同財団河川総合研究所の山本嘉昭さんは「地域の方々に取り組みを知ってもらい、河川に親しみを持ってもらえれば」と語る。
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