川崎駅東口駅前広場を中心に、放置自転車防止や自転車押し歩きの啓発活動を行うボランティア組織「川崎駅東口放置自転車対策実行委員会」が後継者不足に頭を悩ます。「現在の駅前のきれいな状態を保つためにも活動を絶やすわけにはいかない」と実行委員会では新たな人材を求めている。
赤いジャンパーがトレードマークの同実行委員会は土日、祝日、年末年始を除く、平日毎日、川崎駅前で活動を行う。
2003年から活動を始めて16年、会員の高齢化もあり、ピーク時に57人いた会員は現在36人まで減少。55歳から87歳、平均年齢は75歳だ。実行委員会はこのままでは組織の存続が危ういと危機感を募らせる。
木島譲(ゆずる)会長(82)は「我々の活動がなくなれば、駅前はまた昔のように放置自転車でいっぱいになってしまうと思う。新しい人を迎え入れてぜひ継続していきたい」と参加を呼びかける。
活動の成果もあり川崎駅東口周辺の放置自転車は18年度には100台を切る程度(平日午前9時台の調査)だが、活動開始時の03年度は駐輪場不足もあり、3000台強あった。当時、川崎ルフロン前の広場は常時1000台以上の自転車が放置され、車椅子が通れないような状態だったという。
活動を続ける中で「放置自転車問題の解決には駅前の駐輪場整備が必要だ」と行政やJRに働きかけ、04年にJRが800台収容の駐輪場を設置。これを皮切りにルフロン、川崎モアーズと設置が続く。一定規模以上の施設の新設、増設に対する駐輪場の附置義務条例の制定にもつながった。現在、駅周辺(駅から半径500m)の駐輪場は25施設、収容台数は8560台となっている。放置自転車が少なくなったことで、会の活動は駅前広場での自転車の押し歩き啓発に力を入れるようになってきている。しかし会員が立たない夕方や活動のない土日・祝日は、放置自転車がまだ目立つという現実もある。
初代会長の荒金嘉昭さん(76)によると、活動を始めたばかりの頃は乱雑に置かれた自転車の整理から始め、「置くことが当たり前と思っている人とはよく口論になった」そうだ。自転車をぶつけられたり、水をかけられたりしたこともあるという。「川崎の『顔』である駅前を何とかしたいという信念がなければできなかった」と振り返る。
同実行委員会は03年に川崎市まちづくり局と市民代表などで構成する「川崎駅周辺まちづくり検討協議会」で、市民ボランティアと市が協働で放置自転車防止活動を行う必要があるとされ、組織された。現在は川崎区道路公園センターが事務局となっている。
同実行委員会への参加申し込み、問い合わせは事務局(【電話】044・211・4214)まで。
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