川崎市は今月15日、極めて優れた技術や技能で、市の産業発展や市民生活の向上に尽力する「かわさきマイスター」を、今年度新たに4人認定したと発表した。川崎区から人形師の小林誠さん(53)と高圧配管溶接の飯田誠二さん(51)が認定された。
小林さんは新川通の林屋人形店の代表で人形師として30年のキャリアを持つ。雛人形や五月人形の「面相」や「冠」の部分の制作を分担する技能者で、国内でも数少ない人形制作を行っている。前髪や眉を一本ずつ手描きで描く筆使いの習得に10年以上の時間がかかったという。国内の人形制作を行う職人が少なくなるなか、関東近郊の若手の人形師とグループを組み、技術や知見をグループ内の若手に伝承する取り組みも行っている。小林さんは「作る側にとっては10体作れば10分の1の人形だが、子どもには1分の1なので、生涯大切な人形だと肝に銘じている」と人形に対する思いを語った。
飯田さんは旭町の有限会社飯田工務店の代表取締役で、高圧配管溶接のキャリアは28年。水を使用する消火設備が使えない場所に設置される「ガス系消火設備」に付着するための高圧配管の製作をおもに手掛ける。溶接にともなう配管の反りを予測し、溶接する順序を考え、修正を加えながら、配管を反らさず真っ直ぐに仕上げる技術を持つ。飯田さんの溶接技術で完成したガス系消火設備は各種プラントやオフィスビル、立体駐車場などに設置され、市民生活を支える場で生かされている。また「鉄を世の中に広めたい」という思いから、転がすと音が鳴る鉄の玉などのオリジナル楽器製作も行っている。
同事業は1997年度から開始され、今回の認定で74職種105人が認定者となった。
ほかに中原区の有限会社研精工業所副社長で切削工具研削の浅井次雄さん(65)、高津区の砂山衣服研究所代表で洋裁技能士の砂山幸子さん(75)が認定された。
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