川崎市は、やむを得ない事情で実親と暮らせない未成年(要保護児童)が家庭に近い環境で生活できるよう、里親制度の支援を強化する「社会的養育推進計画」を4月から実施する。
計画の実施期間は2020年度から29年度までの10年間。家庭養育を担う里親への支援を今まで以上に強化しつつ、「里親」と児童養護施設などの「施設」の両輪で、要保護児童の受け入れを確保していく。
同計画には、里親に関する普及啓発から児童とのマッチング、実際に里親になった人の支援を継続的に行う「里親養育包括支援事業」(フォスタリング事業)の推進が盛り込まれている。集会などを通して地域の里親の相談に乗るなど、専門機関ならではの支援の充実を図り、子育ての悩みを抱えた里親が孤立しないような体制を作る。
その他、児童養護施設は発達面や心身に障害を抱える児童など、専門的な知識を要する児童を保護する。
要保護児童が里親のもとで生活する利点として、手伝いを通して児童の社会性を育むことに繋がるほか、児童一人ひとりの心理状態や体調に応じた養育ができることが挙げられる。
市内の要保護児童410人に対し、里親登録者数は156人(2018年度)。計画の推進には、登録者数を増やすことが不可欠だが、市の担当者は「里親制度の正しい仕組みが周知しきれていない」と漏らす。
「里親というと法的に親子関係を築く『養子縁組里親』を想像する方がほとんどだが、一時的な期間預かる『養育里親』もある。市民の方々に里親制度の種類や仕組みを知ってもらうことが重要」とも語る。
市内で養育里親の支援を行う団体の職員は「要保護児童と同じ数の登録者がいればいいというわけではない。児童の特徴や性格と最も相性のいい里親と暮らせるのが理想なため、登録者は多い方が良い」と指摘する。
同計画は今後、昨年末に公募したパブリックコメントに寄せられた意見をもとに素案を精査し、議会報告の後、3月の計画策定を予定している。
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