市民主導を掲げて川崎市が進めてきた緑化事業「100万本植樹運動」の実態は、企業や公共施設の開発に伴う成果が8割以上を占めることが分かった。市民活動による植樹を今後増やそうと、市は「150万本」を新たな目標に周知と啓発を進めていく考えだ。
市の植樹運動は2010年に全国植樹祭が生田緑地(多摩区)で行われたのを機に、24年の市制100周年までに市内100万本を目指して開始。市民活動による植樹のほか、共同住宅や事業所、公共施設などの開発に伴う条例で定められた企業緑化も対象とした。
この間、毎年平均140件のペースで開発が進み、昨年12月に目標100万本を前倒しで達成。しかし、市民の緑化意識向上のため市が毎年開催する「植樹祭」や、町会など市民活動による植樹の実績は2割に満たなかった。市担当者は「企業などの開発が想定以上に多かったのが要因。今後は市民活動による植樹の割合を増やす必要がある」と話す。
市民参加を促進しようと、市は植樹運動のイメージキャラクターを使った啓発動画を制作。ユーチューブ(動画投稿サイト)チャンネルで公開予定という。植樹の目標本数については、4年後までに50万本増の150万本に設定。毎年1千本以上の実績がある、出生や結婚の節目に記念樹を贈る「思い出記念樹事業」など、市民が関わる植樹を主体に進めていく。
「植樹祭」契機に
市民の手による植樹運動として毎年10月に行われる「植樹祭」は今回、夢見ヶ崎公園(幸区)で今月17日に開催される。「全国植樹祭」として行われた10年前は約1500人が参加したが、市が主催する翌年以降は9年間で約1600人。延べ約3100人にとどまる。市民団体「さいわい加瀬山の会」の成川七郎さんは「市民が参加しやすい工夫をしてもらいたい」と話す。
市は植樹祭の告知動画を本日2日から、川崎駅東西自由通路のアゼリアビジョンで公開する。
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