神奈川県は先月、土地取引価格の目安となる基準地価を発表(7月1日時点)。川崎区、幸区の住宅地の平均変動率(前年比)は昨年、コロナの影響で1%未満と鈍化したが、今年は両区ともに1%超上昇し、回復傾向となった。
川崎区内の住宅地の調査対象は住宅地7地点。1平方メートル当たりの平均価格は29万8900円で、平均変動率は1・2%(前年0・6%)。最高価格となったのは川崎駅から約1・1キロの「貝塚2丁目4番18」の37万9000円。変動率も2・2%で、同所が最も上昇した。
幸区の対象も7地点で、平均価格は35万円。平均変動率は1・3%(前年0・9%)となった。最高価格は「中幸町1丁目56番5」の43万7000円(変動率1・2%)で市内価格順位で2位に入った。変動率は「南幸町3丁目29番2」の1・9%が最も高かった。幸区は県内の市区町村別の価格順でも3位に入っている。
県全体の住宅地の平均変動率はマイナス0・2%で、前年のマイナス0・9%から回復するも下落が続く。川崎市は0・6%(前年マイナス0・1%)で上昇。市全体の傾向について、県政策局は「都心への近接性や、都内との価格差等から人口増加も堅調。最寄駅から近い地域や住居環境の良好な地域を中心に需要がある」としつつ、「市北部では敷地規模が大きくても地区計画等により分割できない土地が多く、利便性に劣る地域では横ばいや下落も見られた」と分析する。
川崎駅周辺 商業地上昇率鈍化も地価堅調
川崎区の商業地の平均価格は90万3800円で、1・7%(前年1・1%)上昇。川崎駅から約300メートル地点の「駅前本町3番6外」が260万円、変動率3・2%で最も高かった。県政策局担当者は「川崎駅周辺は大規模テナントの退出により、オフィスの空室率が上昇しているが、賃料は堅調に推移している」と説明。加えて「今年5月に開業した駅西口に隣接するオフィスビル(カワサキデルタ)は満床となるなど、上昇率は鈍化しているものの、地価は堅調に上昇している」という。
幸区の商業地の平均価格は36万8300円で、平均変動率は0・7%(前年0・5%)。最高価格は「下平間字稲荷耕地111番4」で、54万円。1・9%上昇した。平均変動率1%未満は市内で幸区のみだった。
都道府県が調査する地価基準は、毎年9月に公表。今回は県内927地点、川崎市116地点が対象になった。
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