「ギャンブル依存症」の当事者やその家族を対象にした相談支援機関を、川崎市が開設した。6月1日から川崎区中島で「依存症地域活動支援センターK-GAP(ケーギャップ)」(【電話】044・742・7162)の名称で始動し、社会復帰に向けた支援や情報提供、啓発などに取り組む。
運営は一般社団法人Nesting(ネスティング・川崎区中島)が担う。午前9時30分から午後4時30分までの年中無休で開設。依存症からの回復や社会復帰につなげる計画的な支援活動、苦しみや悩みや経験を分かち合う「ミーティング」活動を行う。医療や保健、行政の情報提供、セミナーにも取り組む。センターの名称は「カワサキギャンブルアディクションポート」の略。
ギャンブル依存症の対策を巡っては、国が2018年に対策基本法を施行。翌年に推進基本計画を策定し、各自治体で対策が進められてきた。開設を受け、市は社会復帰に向けた就業支援を進めるため、就労機関へのPR活動などに注力していくとしている。市担当者は「今後は依存症の相談支援などに取り組む機関同士のネットワークの構築にも期待したい」とも語る。
「身近に感じて」
運営法人はこれまでにもアルコール依存症やギャンブル依存症などの生活訓練事業に携わり、市教育文化会館などで相談会を定期的に実施。その実績などが評価され、市から委託された。中村晃二理事は同センターの開設により「今まで以上に専門的なプログラムでの支援が可能になる」と語る。
ギャンブルにのめりこみ、生活や社会生活に支障をきたすギャンブル依存症は「貯金や定期預金、学資保険の解約などで表面化するケースも少なくない」と指摘。普段は仕事ができる、日常生活を過ごせる人にも実はギャンブル依存症が潜んでいることから中村さんは「多くの市民に依存症について知ってもらえるように努めていきたい」と力を込めた。
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